| ■ 「無駄殺しの田中」 |
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| もはや「皆殺しの田中」ではありません。
20世紀の筆者であれば、生き生きとした宝石のような登場人物の一人一人に、その最期にふさわしい花を手向けてくれたことでしょうが…。
ここまで我慢して「新生」アルスラーンを読んできましたが、もう何も言うことはございません。
私にとってアルスラーンは角川の9巻で完結しました。
どうか、最後くらいはこの作品にふさわしい終幕を迎えてほしい。
90年代にこの作品に胸躍らせ夢中になった読者の一人として、切にそう願います。 |
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| ■ 最後の一人と最初の一人 |
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| 『蛇王再臨』です。アルスラーン戦記第13巻です。
タイトル通り、ついに蛇王ザッハークの封印が解かれます。
それと、アルスラーン王の十六翼将が勢揃いします。
本書の分量では、アルスラーンたちの情勢というのは、後半になってから出てきて、多くはないです。
パルスの周囲の国、ザッハークを奉じる魔道士の情勢に多くの紙面を割いています。そういう脇役の活躍も面白い、というのは田中作品ならではだと思いますが、その反面慌ただしい展開もあり、重要人物が二名退場することとなりました。
ナルサスが大きな策を投げかけ、例によってラジェンドラたちが踊らされます。編集者のことばにあるように、ラジェンドラの存在が心のオアシスです。オアシスといえば、小役人のあの人もいい感じです。
確かにそれなりに面白いのですが……でも、角川文庫で出ていた時期と比較すると、見劣りするのは否めません。
あと、あとがきが無いのは物足りないというか、読者的には損した気分です。
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| ■ あれ? |
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| 21世紀に入っての田中氏の低迷には目を覆うものがあります。 その低迷ぶりを遺憾なく発揮しているのが本作。ある意味「殺しの達人」であった田中氏の作品とは思えません。以前の作品でも、重要人物が死ぬことは数多くありましたが、一見、無意味とも思える死でも、読者に納得させる筆力が田中氏にはあったはずなのですが。 などと低評価しまくっていますが、次の新巻も迷わず買います。惰性が理由です。ここまで20年以上、付き合った作品です。ただ、7巻の「王都奪還」で完結、それ以後の続刊は外伝と私の中では整理することを決意させてくれた本作です。 |
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| ■ 消化試合 |
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| まず、当然ながら微妙なネタばれを含みます。
また、このアルスラーンシリーズは第一部の為だけに揃える価値が十分にある、最初にそう断っておきます。
それを踏まえた最新作への評価ですが、正直ショックです。前二作の展開の遅さを作者の方針転換ととらえた自分にとって今回の物語の急変とその強引さは裏切られた感が強かったです。時間をかけて丁寧に書くのかと思われたのに扱われる死は軽く、いわゆる典型的な物語の登場人物としてつまらない聖人君子(三国志演義における劉備のような)としての印象が強くなる主人公、当初のプロットを消化する為だけに登場人物を使い捨てるような展開は読んでいてとても残念に感じました。20年を経て作者の登場人物に対すると認識の変化は当然としても作品のネームバリュー的な面でしか評価できないのはさびしいものがあります。あくまでも第一部の補足、「英雄たちの後日譚」と捉えたほうがよいのかもしれません |
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| ■ 蛇王再臨ということは、そろそろかな |
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| 皆殺しの田中が帰ってきましたね。実は嫌いじゃないけど、私のお気に入りのイスファーンはいつまで生きていられるだろう。
蛇王再臨までこぎ着ければ、さすがシリーズものを放り出すのが得意の田中芳樹でも最後まで行き着くでしょう。あと十年もあれば。
エステルがどう響くか(というか、政治体制にどこまで新しいところまで踏み込むか)、イスファーンがひろったはいいが全然活躍しないアイーシャは今後どうなるのか。
続きが楽しみですが、なかなか出してくれないんだよな。 |
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