うつくしく、やさしく、おろかなり―私の惚れた「江戸」
杉浦 日向子,筑摩書房
 
プライス:¥ 1,470    単行本
発売日:2006-08
筑摩書房
4480816496
オススメ度:
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江戸の暮らしや人々を愛している人なら読もう!
ぼくは江戸時代に憧れているが、杉浦日向子さんには叶わない。杉浦日向子さんは江戸の暮らしや人々を愛しているのだ。
この本は、杉浦日向子さんのエッセイをまとめたもので、書き下ろしではない。
あるテーマを持って、江戸を解説したものではない。

それなのに、1つのテーマ性があるのは、そのテーマが「私は江戸に惚れた」だからだ。
どうやら、杉浦日向子さんによると江戸は男でいうとダメ男らしい。格好つけるけどだらしなくて、意気地もないらしい。

江戸に住む人は圧倒的に男が多かったということは聞いていたが、自炊をほとんどしなかった。三食定時に食べていたのは、武士と商人だけで、町人はお腹が空いたときに食べていたとは!

蕎麦も食事ではなく、小腹を満たすものであり、蕎麦で満腹は粋でないとか。
夫婦も共働きだが、オッカサンは自分の稼ぎはすべて自分の小遣いであり、一家を養うのは亭主の稼ぎと決まっていたとか。

この本とは関係ないが、「見栄は生きる活力だ」ということを聞いたことがある。
そして、江戸時代の男たちも同じ事を行っていたのかなと思い始めた。

かなしくも、あたたかい 遺作
杉浦日向子氏の十数年にわたる血液の難病とのたたかいを知ったのは 亡くなる少し前だった。
テレビで拝見していた限りでは その片鱗を少しも感じられなかった。
でも、その事実を知ってからは だからこその感性であの筆さばき、たおやかな語り口調であったのかともうかがえる。
この本は亡くなってからの出版となってしまったが、江戸に惚れた著者の集大成の作品としてまとめられていると思う。
江戸に惚れるきっかけかもしれない・・・という「蕎麦」についての記述もおもしろい。

「江戸は 手強い。が 惚れたら 地獄だ。」

その地獄を深く愛した最後のラブレター らしい・・・
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